1.非ステロイド抗炎症薬(消炎鎮痛薬)
2.副腎皮質ステロイド(ステロイド)
3.抗リウマチ薬と免疫抑制薬
4.生物学的製剤
 
5.JAK阻害剤薬

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3.抗リウマチ薬と免疫抑制薬   

 

 

 抗リウマチ薬とは、関節リウマチ(RA)の免疫異常を改善させることにより、RAの炎症を抑え、寛解導入を目的とする薬剤の総称です。RAの進行を阻止する可能性があることから疾患修飾性抗リウマチ薬と呼ばれ、また効果発現までに時間を要することから遅効性抗リウマチ薬とも呼ばれています。

 

 RAに使用される薬物には、1.抗リウマチ薬、免疫抑制薬、2.非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)、3.副腎皮質ステロイド、4.生物学的製剤があります。

 

 1980年代までRAの治療はいわゆるピラミッド計画と呼ばれる方法が主流で、治療内容をマイルドなNSAIDsから始めてより強力な抗リウマチ薬や副腎皮質ステロイドに段階的に上げていくものでした。しかしこの方法では抗リウマチ薬や免疫抑制薬を含めた免疫療法を開始するのが遅くなり、関節破壊を防止できないのではないかと考えられるようになりました。

 

 現在では、発症3か月以内の早期から積極的に抗リウマチ薬を使用するようになっています。さらに現在の抗リウマチ薬はメトトレキサート(商品名リウマトレックス、メトレート)を第一選択にすることが一般的になってきました。表に抗リウマチ薬の一般的な特徴を示しました。

 

【抗リウマチ薬の特徴】    
1.

活動性の高いRAの治療には不可欠である。

2. 一般に遅効性であるが、効果は持続性である。
3. 早期で活動性のRAに効果が期待できる。
4. 反応する例と全く反応しない例がある。
5. 十分な効果が出たら減量も可能である。
6. 完全寛解はまれだが関節破壊の進行を遅らせる可能性がある。
7. 長期使用で効果が落ちる例がある。
8. 無効になれば他の抗リウマチ薬と切り替える。
9. 効果が減弱した場合は、切り替えか併用を考慮する。
10. NSAIDsや副腎皮質ステロイドは必要に応じて併用可能である。
11. 副作用は薬物によって異なるが、時に重篤なものがあるので注意する。
12. 抗リウマチ薬同士の併用で効果が増強する場合がある。

         

主な抗リウマチ薬と免疫抑制薬の特徴を説明します。

 

金製剤
 

 注射金剤(商品名シオゾール)と経口金製剤(商品名リドーラ)があります。以前はよく使用されましたが、他の治療法の進歩もあり、最近では以前ほど使われなくなりました。

 

 

ペニシラミン(商品名メタルカプターゼ)
 

 重金属のキレート薬で、RAの他にはウイルソン病や重金属(鉛、水銀、銅)中毒に対して適応が認められています。RAに対しての有効率は高いのですが、高用量で白血球減少などの副作用が多いのが問題で、我が国ではブシラミン(商品名リマチル)のほうが使われています。

   
ブシラミン(商品名リマチル)
 

 構造学的にペニシラミン類似のSH化合物で、我が国で開発された薬物です。効果はペニシラミンと同等で、重篤な副作用も少ないためにまず最初に使われる傾向があります。

   
ロベンザリット(商品名カルフェニール)
 

我が国で開発された薬物ですが、効果は弱く、一方で腎障害などの重篤な副作用もあり、最近では積極的には用いられていません。

   
ミゾリビン(商品名ブレディニン)
 

我が国で開発された免疫抑制薬で、主としてDNA合成阻害作用により効果を発揮します。RAに対しては効果も弱いが副作用も少ない特徴があります。高薬価です。

   
アクタリット(商品名オークル、モーバー)
 

我が国で開発された薬剤ですが、効果は弱く、一方で腎、肝、血液障害などの副作用の報告があります。

   
サラゾスルファピリジン(商品名アザルフィジンEN)
 

 従来から潰瘍性大腸炎に使われていた薬物です。潰瘍性大腸炎に比べてRAでは少量で効果があります。切れ味はよく強力で早期に反応する例もあります。特にヨーロッパではメトトレキサートと並んで抗リウマチ薬の標準薬として使用されています。副作用としては皮疹が見られることが多いです。

   
メトトレキサート(商品名リウマトレックス、メトレート)
 

 メトトレキサートは米国ではRAに対するアンカードラッグ(標準治療薬)です。我が国では1999年8月、リウマトレックスの名前で適応を得ました。通常1週間単位の投与量は6mgで、本剤1カプセル(メトトレキサートとして2mg)を初日から2日目にかけて12時間間隔で3回経口投与し、残り5日間は休薬します。2011年2月に、成人では必要に応じ週16mgまで増量することが認められました。リウマチ学会では「メトトレキサートを服用する患者さんへ」の教育冊子を作成しています。メトトレキサートの治療効果は他の抗リウマチ薬に比較して速やかで、投与4週目で発現する場合も少なくありません。しかも、その後3~6か月間にわたり、その効果が増強します。副作用の第一は急性間質性肺炎でその機序はアレルギー性と考えられ、投薬後のどの時期でも発症する可能性があります。さらに高齢者では白血球が減少して感染症をおこすことがあり、高齢者には注意して使用しなければなりません。また催奇性があることから妊娠を考えている方には男女とも使えません。このようにメトトレキサートの副作用の頻度は低くないのですが、激しい炎症があり、関節破壊が速やかに進行すると予想される場合には、早期リウマチでも積極的に使用されます。

   
レフルノミド(商品名アラバ)
 

 我が国では2003年4月、アラバの名前で関節リウマチに承認された免疫抑制薬です。ヨーロッパの治験ではサラゾスルファピリジンと同程度の効果が得られ、米国の成績ではメトトレキサートにX線の骨破壊進行抑制とQOLの改善の点で上回りました。レフルノミドの投与法は、初期投与量として100mgを朝1回3日間内服し、4日目以降20~10mg朝1回を維持量とする特殊なものです。しかし、元来、抗リウマチ薬は遅効性であることを考慮すると、3日間の高用量投与の意義は明確ではなく、今後、初めから維持量を投与した場合との有効性と副作用の比較が必要です。副作用については、海外ではほとんど報告がなかった重症間質性肺炎が問題になっています。

   
タクロリムス(商品名プログラフ)
 

タクロリムスはシクロスポリンと並んで、代表的な免疫抑制薬として移植拒絶反応や自己免疫疾患の治療に使用されています。RAについては、我が国では2005年4月に承認されました。副作用としては、腎障害が中心で肝障害や間質性肺炎の報告は少なく、他の抗リウマチ薬とは異なる傾向があります。経口薬で、患者さんによっては生物学的製剤に匹敵する効果を示す例もありますが、値段も高価です。

   
イグラチモド(商品名コルベット、ケアラム)
 

イグラチモド(商品名コルベット、ケアラム)は、日本で開発された抗リウマチ薬で、2012年6月に製造承認を得、9月に発売されました。効果発現が遅いという欠点がありますがサラゾスルファピリジン(商品名アザルフィジン)との比較をしても効果に差がないといわれています。副作用として肝障害、胃潰瘍などが知られています。他剤に比して安価であることが特徴です。

 
         

【情報更新】    平成28年6月

 

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