リウマチQ&A
- Q.3127歳で訪問看護師をしています。2か月前に早期の関節リウマチと診断されました。現在メトトレキサートとジセレカ他薬剤を内服中です。四肢のこわばりやしびれ、脱力感、肘の痛みなどが症状としてあり、車のブレーキを両足で踏んだりすることもある状態です。因子は1ですが、血液検査には反映されないこともあると先生から話がありました。診断されてからまだ時間がたっていないこともあり、これからの生活や仕事、人生が不安です。 先日上司に病気の相談をしたところ、会社として突然のリスクを背負いきれないことや、突発的な疼痛で仕事ができなくなるのではと懸念され、併設する施設での入浴介助などの業務変更提案をされました。 仕事場を変更したとしても、今以上に看護師としての仕事はできなくなるのか、また現在病気と向き合いながら仕事をされている方はどんな仕事についている方が多いのか、看護師としての細かい業務が難しくなっていくなら職業ごと変えたほうがいいのかなど、すごく悩んでしまいストレスが溜まっていました。そんな時にこのサイトをみかけたので相談させていただこうと思いました。少しでも何かアドバイスなどありましたらお願いいたします。
関節リウマチと向き合いながら、看護師として働いている方をたくさん知っています。リウマチだからといって、看護師の仕事をあきらめる必要など全くありません。それに、施設での入浴介助のような手首や膝に負担のかかるお仕事への配置転換というのも、ちょっと腑に落ちませんね。今、あなたのすべきとこは、自分にあったリウマチのお薬と出会うことだと思います。因子というのはリウマトイド因子(RF)のことですね。確かにリウマチの症状と検査値がリンクしない場合もあります。発症早期なので関節の破壊が進行する前に、リウマチを寛解状態にすることも十分可能です。ぜひ看護師としてご活躍ください。あなたのそのご経験はきっと同じ悩みを持つ方たちへの希望になります。(2025年8月掲載)
- Q.30現在両足の小指の骨破壊があり、手首の関節の隙間はかなり狭く、手の甲の骨は本来なら8個にわかれているようですが隙間がなく全部くっついてしまっていてバイオ治療中です。立ち仕事なのですがこのまま続けても大丈夫でしょうか?仕事で箱を積み重ねたりしていて重い物もたまに持つのですが骨破壊の所にどうしても痛みがでます。 あまり関節に負担のない仕事に変えた方がよろしいでしょうか?
立ち仕事でかつ箱を積み重ねるなど、膝と手首に負担のかかるお仕事のようですね。まず、原則として、膝や手首に負担のかかるお仕事はなるべく避けてデスクワークを行うことをお勧めします。しかし、現実的にはそんなことを言える状況ではないのかもしれません。そこで、次の3点を考えてみてください。①現在のリウマチの状態はいかがですか?血液検査でCRPといった数値は落ちついていますか?もしリウマチ自体が落ち着いていないのなら、まずはお薬でリウマチの状態を改善させましょう。②立ち仕事とデスクワークのバランスをとりましょう。リウマチは午前中の方が調子が悪いので、例えば午前をデスクワークに、午後を立ち仕事にといった仕事の調整をなさってみてはいかがでしょうか?③立ち仕事の際に膝と手首にサポーターをつけて、関節を保護しましょう。今より楽に作業ができると思います。以上3点試してみてください。(2025年8月掲載)
- Q.51当初PMR(リウマチ性多発筋痛症)のような症状でリウマチクリニックを受診しました。プレドニン20mgを処方されてCRP 13->3まで1週間で改善しました。痛みはまだ強かったので30mgまで増量して、1週後にCRP 0になりました。症状も消えましたが、すぐにプレドニン30mgは多すぎるということで20mgに減量となりました。その後、痛みがもどりCRPは0.5程度に。痛みがあると訴えましたがプレドニンは15mgまで減量され大学病院を紹介されました。大学病院ではMRIなどの結果から、PMRではなく血清検査陰性のRAという診断でプレドニン増量は認められませんでした。大手の大学病院なのですが、PMRではないという判断の説明が理解・納得できずにいます。代わりにMTXなど処方されていますが改善はしていません。PMRであればプレドニン治療が基本となると思いますが、別の病院にセカンドオピニオン求めるべきでしょうか。
RA(関節リウマチ)かPMR(リウマチ性多発筋痛症)の鑑別についてのご質問ですね。プレドニンが著効するのは、PMRでもRAでも当てはまりますので、判断がなかなか難しい場合があります。PMRであれば、プレドニンの減量のペースをどのくらいにするのか。RAであればプレドニンを減量する過程でどんなリウマチ薬を使うのかが問題になります。ただ、患者さんが病院に通う目的は、正しい診断をつけてもらって、早期かつ適切な治療を受けることです。従いまして、今の症状がとてもお辛いのであれば、思い切って別の病院にかかることもひとつの選択肢なのかもしれません。(2025年8月掲載)
- Q.17TNF-αを血液検査等で数値を測ることはできないのでしょうか?
関節リウマチの診断と治療のなかで、血液中のTNFαを測定することは、現時点の保険診療では認められておりません。(2025年8月掲載)
- Q.203関節リウマチ歴20年です。最初は飲み薬、その後痛みが酷くなり手首の関節が腫れてきたので生物学的製剤エンブレムとリウマトレックスを併用して7年過ごしましたが、痛みが徐々に出てきました。アクテムラを2週間に1度使用し、M TXを併用しましたが脂肪肝になりM T Xの使用やめアクテムラを週1に切り替えました。その後、3年くらい経った頃から肩関節、首顎やあちこちの関節の疼痛と腫れがあり遂に痛み止めを処方してもらいました。しかし、腎臓に負担がかかるからと医師の勧めで服用をやめました。それからは、朝は全身の痛みにより気力さえなくなります。これが最善の治療なのか教えてください。
エンブレルやアクテムラも効果がないような肩や首の痛みはリウマチによるものではありません。まずは原因を確かめる必要があります。通常は頸肩腕症候群という筋肉の凝りなどが原因ですので軽い体操や湿布などので対応するしかありません。リウマチの薬剤を変更したり増やしたりしても無駄だと思います。肩の痛みについては肩板断裂や関節唇の損傷など整形外科的な病変のことがありますので MRIで確認されるのが良いでしょう。鎮痛剤の服用は、主治医の先生のご指摘通り、腎臓に良くないのでできるだけ控えた方が良いと思います。(2025年8月掲載)
- Q.202関節リウマチになって30年近くなります。その間に両膝左肘の人工関節置換術をし、MTX・エンブレルを使用してきました。悪性腫瘍が見つかりアクテムラに変更したのですが、だんだん効きかなくなっているような気がして、次にJAK阻害に変更しようかという話が出てきているのですが悪性腫瘍の既往歴のある人がJAK阻害を使用した場合再発リスクが上がったりはしないのでしょうか?
JAK阻害薬は、関節リウマチの炎症を抑える効果のある新しい飲み薬です。ただし、免疫の働きにも影響するため、悪性腫瘍(がん)の既往がある方では、再発の可能性について注意が必要と考えられます。
再発のリスクは、がんの種類や治療後の経過期間、現在の病状などによって異なります。はっきりと「使ってはいけない」というわけではありませんが、安全かどうかは一人ひとり条件が違います。そのため、使用するかどうかは、悪性腫瘍の種類や治療からの経過期間、もともとの再発リスクの高さ、他の治療薬での効果や副作用の状況などを総合的に考慮し、JAK阻害薬を使うかどうかは、リウマチの状態とがんの再発リスクの両方を考え、主治医や必要に応じてがん専門医とよく相談して決めることが大切です。(2025年8月掲載)
- Q.20113歳のころから40代の現在まで長い間リウマチを患っています。過去に整形の薬で肝機能を悪くしたこともあります。昨年食道炎を併発しました。その際医師にタケキャップが一番効能があると処方されましたが、ジセレカを服用し出してから体が硬くなったり胃腸の調子が悪かったり、痛み・発心、疲労感や服用後の急激な眠気などさまざまな不調がでています。タケキャップとリウマチ薬は併用しても問題ないでしょうか?3年前からリウマチの値は落ちついていますが手の指全体がくの字に内側に曲がっていて苦労しています。ひらこうとすると痛いです。医師にリウマチの飲み薬は2つしかないといわれましたが本当でしょうか?副作用は人によって違いますか?
長年にわたり、リウマチと向き合って来られたのですね。大変なことだと思います。
タケキャブとリウマチ薬の併用に関しては原則として問題はないと思います。リウマチの血液データは落ち着いているが、指が変形し伸びないということですが、これについては、整形外科系のリウマチ専門医(手の手術を専門とする方がいいと思います)にご相談されることをお勧めします。(2025年8月掲載)
- Q.204年前に関節リウマチと診断されプレドニンやメトトレキサートを服用していたのですが、2年前ニューモシスチス肺炎にかかり今では、生物学的製剤のオレンシアの点滴とニューモシスチス肺炎のサムチレールを服用してるのですが、医療費が高く年金生活では医療費が支払いできません。福祉課に相談したのですが、年金が生活保護者より多くあるからと断られました。どこに相談行けば良いですか?このままでは治療を諦めないといけないですか?
医療費は年齢や所得などにより異なります。まず、患者様がお住いの市町村での相談窓口がどこかを含め、現在通院されている医療機関の担当の方にご相談下さい。入院施設のある医療機関には「医療連携室」や「患者さん相談窓口」などに、医療費や社会保障制度についての専門職である医療ソーシャルワーカー(MSW)がおられることが多いと思いますが、おられない場合でも、医事課などの担当者で相談できる方がおられると思います。もし分からなければ、看護師などスタッフにお尋ね下さい。具体的な状況を詳しく伝え、利用できる制度がないか、どのように手続きを進めればよいか相談してみてください。
また、自己負担額が一定額を超えた場合、超えた分の金額が払い戻される高額療養費制度があります。年齢や所得区分に応じて自己負担限度額が設定されており、事前に「限度額適用認定証」を医療機関の窓口に提示すれば、窓口での支払いが自己負担限度額までとなります。これらの制度については、加入されている公的医療保険の方でご相談いただくことができ、お問い合わせは、保険証の「保険者名」と書いてあるところになります。また、後期高齢者医療制度は75歳以上の方が対象となりますが、一定の障害があると認定された65歳以上の方でも対象となることがありますので、これについては各都道府県の後期高齢者医療広域連合にご相談下さい。
お一人で悩まず、医療費を考慮しながらでも最適な治療を受けることができるように主治医や看護師など医療スタッフにもご相談ください。(2025年6月掲載)
- Q.2007年前にシェーグレン症候群と診断され、近隣のリウマチ内科クリニックに通院しています。今のところ主にドライアイ、ドライマウスの症状ですが、逆流性食道炎、甲状腺も経過観察の状態です。また先日は顔に湿疹ができ、蝶形紅斑ではないかと思える程の赤ら顔になり心配で急遽診察してもらいました。 以前にも少しの体調の変化で不安になり診てもらうことが多々ありました。少し神経質になり過ぎているのかもしれませんが、ここでまた担当医が変わることもあり、シェーグレン専門の先生がいらっしゃる病院に移るべきか悩んでおります。 アドバイスを頂けましたら幸いです。
シェーグレン症候群は、ドライアイやドライマウスなどの症状が長く続くことに加えて、体調の変化が不安につながりやすい病気です。皮膚の発疹や消化器症状、甲状腺の異常などがみられることもあり、ご自身の体調に敏感になられるのは、ごく自然なことです。
診療体制が変わるときや、これまでの診療に不安を感じる場合には、「他の医師の意見も聞いてみたい」と感じることは珍しくありません。そうした際には、まず今の主治医にお気持ちを伝えてみることをおすすめします。必要に応じて、専門的な診療を行っている医療機関を紹介してもらうことも可能です。
また、必ずしもすぐに転院を決める必要はありません。今後の体調や不安の程度に応じて、「一度相談だけしてみる(セカンドオピニオン)」という形もあります。
何よりも大切なのは、ご自身が安心して相談できる環境を整えることです。遠慮せず、ご自身の気持ちを主治医にお話しされることをおすすめします。(2025年6月掲載)
- Q.199リウマチと診断され10年になります。当初はメトトレキサートを処方されましたが吐き気に悩まされ断念、生物学的製剤に切り替わりました。アクテムラは痛みにとても効いていたのですが、血液検査の数値が悪化し、それからは数種類の生物学的製剤を試みていますが安定しません。この度JAK阻害薬を医師から勧められましたが、副作用の話を聞き使用に踏み込めません。直近に身内の不幸がありとても精神的に苦しく更に痛みが増していますが、痛みと心理的な事は関係ありますか。また、JAK阻害薬についての見解を教えてください。
痛みと心理的な状況との関連は以前からよく知られていることで、線維筋痛症がその代表的な疾患です。血液や画像検査では何の異常も認められないのに、全身のあちこちが痛む、という症状があり、ストレスによって悪化します。最近は専門的ですが「痛覚変調性疼痛」と言われ、脳の痛覚(痛みを感じる部分)が過敏になっているためと考えられています。
今回ご相談のケースでは、「血液検査の数値が悪化した」とのことですので、詳細は分かりませんが、痛覚変調性疼痛ではなく、関節リウマチの悪化だと思われます。JAK阻害薬は生物学的製剤に効果不十分な場合でも効果が期待できることが臨床試験で証明されていますので、試みる価値は十分にあります。副作用は、パンフレットには稀なものまで色々と書かれていますが、はっきりしているのは「帯状疱疹などウイルスの感染症の頻度が他の治療薬より高い」ということです。その他の副作用は、患者さんの状況(年齢、肺や腎臓の合併症、家族歴で癌の方が多い、併用薬など)によります。50歳代の方で、リウマチ以外に特に合併症がない場合は、JAK阻害薬のリスクは少なく、生物学的製剤効果不十分の場合、経済的に許せばぜひ使用してみることを勧めます。(2025年6月掲載)
- Q.19SLEです。治療によって症状が落ち着いている場合、難病の更新時に重症基準が満たさないことで申請が通らないことはありますか?
おっしゃる通り、指定難病では疾病ごとに確立された診断基準と重症度分類が設定されています。指定難病と診断され、さらに次に該当した場合は難病法による医療費助成を受けることができます。(1)重症度分類に照らして病状の程度が一定程度以上 もしくは(2)軽症高額該当といって重症度分類を満たさないものの(所得に応じて)自己負担額の上限額が定められ、ある金額を超える負担が免除される制度です。ご質問のケースに話を戻すと、SLEの場合(1)の基準は、SLEDAIスコアという重症度分類で4点以上です。したがって、治療によって症状が落ち着いている場合には、(1)の医療費助成の対象から外れてしまう可能性があります。ただ、ご自身の収入に応じてですが(2)の制度には該当するかもしれません。主治医やかかりつけの病院の窓口にもご相談ください。(2025年6月掲載)
- Q.29手首が関節裂隙狭小化しているのですが、工場で(立ち仕事)働いています。毎日物を持って運んだり積んだりしています。 重いものはなるべく避けたり両手を使ったりと工夫はしているのですが、このまま関節の負担がかかる仕事はやらないほうがよいでしょうか?休日は痛みがそんなにありませんが、やはり仕事が始まると翌朝痛みが強くなります。
なかなか大変な状況ですね。生活していく上で、労働することが時として関節を保護することに反してしまう場合があります。まず純粋に医学的なことだけを申し上げます。すでに手関節の関節裂隙が狭小化しているのであれば、重いものを運ぶなど手首に負担のかかる肉体労働はお勧めできませんね。やはり、座ってできる事務系のお仕事が将来の関節破壊の進行を抑えるという意味でも良いと思います。しかし「そうは言ってられない、生活がかかっているのだから」ということであれば、こんなアドバイスができます。①労働時には手首に割とがっちり目のサポーターをして関節を保護しましょう。②物を運ぶ際にはできるだけ台車やカートを使いましょう。③可能なら肉体労働の時間を例えば午前だけにするとか、午後だけにするとか、区切ってはみるのはどうでしょう? ④ペアの人がいれば助けて頂く。以上、少しでもご参考になれば幸いです。(2025年6月掲載)
- Q.18メトトレキサートを服用しています。サプリのコラーゲンは飲んでも大丈夫ですか?成分はフィッシュコラーゲンペプチド、デキストリン、大豆抽出物/L-シスチン、ビタミンC(一部に大豆を含む)です。
巷にはサプリメントが溢れていますね。リウマチに効くサプリは今まで聞いたことがありませんが、耳鳴りに聞く、膝の痛みに効くなどなどたくさん見掛けます。お値段もそれなりにしますので、効果がありそうな感じもします。かくいう回答者である私も自分で気に入ったサプリを飲んでいます。ただここでちょっと考えてみましょう。たとえば、軟骨の成分であるコラーゲンを飲んだとしても、それは胃の中でアミノ酸にバラバラに消化されてから吸収されます。つまりコラーゲンがそのまま膝の関節に補充されるとは考えにくいわけです。さらに言うと、リウマチの患者さんがサプリメントを服用しても、プラセボ効果以上の効果はなかったという学術論文がすでに発表されています。以上より、まずサプリメントを飲むか飲まないかをもう一度、ご自身でよくお考えください。その上で「飲んでみたい」というお気持ちが変わらないのであれば、主治医の先生と成分を見ながらお決めになるのがよいでしょう。「では、なぜあなたは飲んでいるのですか?」と私自身よく患者さんから質問されます。「本当に効果があるのか自分で確かめてみたい。効いたら儲けもの」くらいの感覚です。少々長くなりましたが、ご参考にして頂ければ幸いです。(2025年6月掲載)
- Q.28箱根で宿をワンオペでシェフをやっています。今回リウマチと診断され、 アクマテラの注射で少しマシになりました。このままシェフと経営が出来るか?悩んでます。寒い箱根で立ち仕事、ワンオペでただいま休業中です。腱板断裂もあります。腱板断裂のオペの前にリウマチなのでオペ延期に、あと気管支拡張があります。気合いで仕事して来ましたがどうしようかと悩んでいます。年齢もあります。仕事が生きる希望でした。アドバイスは出来ないかもしれませんが、寒い立ち仕事でそれなりのストレスがあります。
リウマチを抱えながら、シェフと経営の両立、大変ですね。腱断裂があっても包丁は握れるのですね?人生の希望・生きがいと健康を天秤にかけること自体、大変悩ましい問題です。多分、正解はないのでしょう。ご自身そして周りの方とよくご相談されて時間をかけて結論を出すしかないと思います。回答になっていなくて申し訳ございません。(2025年6月掲載)
- Q.198関節リウマチの治療でメトトレキサートを週に8㎎服用しています。服用前から、疲れがたまった時などに口唇ヘルペスがでることがあります。もしまたヘルペスができたら、メトトレキサートは1、2回休薬した方が良いでしょうか?
口唇ヘルペスが出るということは、免疫が少し弱っている可能性があります。したがって、免疫抑制剤であるメトトレキサートはひとまず休薬し、口唇ヘルペスに対する治療(外用薬や内服薬)を行うことをお勧めします。もちろん主治医の先生とご相談したうえで治療をおすすめください。(2025年6月掲載)
- Q.17高額療養費制度の負担額が上がったら治療費を賄えないため生物学的製剤の治療は困難になりやめようと思います。 私は副作用で飲み薬タイプの抗リウマチ薬が飲めません。何種類も試しました。今は、生物学的製剤とステロイドです。 このような社会情勢において、私のような方が増えると思いますがどのようにお考えでしょうか?
高額療養費制度の見直しにより、経済的な理由で十分な治療を受けられない患者さんが増えることは問題であると認識しております。患者さんが必要な治療を受けることができるように今後、関連学会や患者団体などと協力しながら、高額療養費制度の改善を国に働きかけることも重要であると考えております。
もし高額療養費制度の負担額が上がってしまった場合、治療につきましては、現在使用されている生物学的製剤よりも費用を抑えることができる方法がないか、例えばバイオシミラーの使用など、主治医と改めてご相談されることをお勧めいたします。なお、メトトレキサートについては皮下注射製剤が発売されましたので、もし服薬時の嘔気などの副作用で使用できない場合は、注射製剤もご検討いただけるのではないかと思います。(2025年3月)
- Q.71エンブレル25mgを週2回注射していますが、注射後、翌日~翌々日の夜明けから早朝時に後頭部~首にかけて痛みが生じます。 朝起き上がってしばらくすると徐々に痛みは治まっていきます。痛みが生じる原因は何でしょうか?
販売元に確認しましたが、エンブレル副作用としての「頭痛」の副作用報告はあるようですが、後頭部の痛みでの報告は無いとのことでした。但し、頭痛が注射後の2日間に出現するということですので、被疑薬の可能性は否定できませんので、主治医と相談の上、他の薬剤への変更も考えてもよいかと思います。これとは別に、一般的な話として頚椎の椎間関節に炎症があれば、頭痛が生じる可能性もあります。また関節リウマチでは、環軸椎亜脱臼といって頚椎の一番目と二番目の骨がずれることがあります。この場合にも後頭部から首のかけての痛みが生じます。一度、整形外科専門医を受診してMRIを含めた詳しい検査をなさってはいかがでしょうか。(2025年3月)
- Q.70首、肩、腕などが痛くて、現在プレドニン、ボルタレン、レパミドを飲んでます。今日血液検査をしたら、RFが14→15になっていました。リウマトレックスを追加で飲むことになりました。 RF15という数値は、普通と比べてどうなのでしょうか? 痛みはとてもあって、夜中から痛みで起きてしまい寝られません。 薬を飲んでもあまり効きません。
RF(リウマトイド因子)の基準値は 15 IU/mL以下 ですので、ご質問者さまのRF値は正常上限ということになります。ただ、RFが正常範囲であってもリウマチと診断される場合があります。主治医の先生は、抗CCP抗体の値や、炎症マーカーであるCRPの値、そして何より現在の痛みやつらさを考えて、あなたにあったリウマチ薬を探している最中だと思います。わからないことがあったら、主治医の先生に一度お聞きになることをお勧めします。(2025年3月)
- Q.69リウマチと診断されて14年目になります。途中MTX-LPDになり薬を変えたりといろいろありましたが、なんとか仕事に支障なく続けられています。ここ1~2か月、正座したあとにジーンとするような痺れが左足のすねにだけあります。24時間ずっとです。これはリウマチと関係あるのでしょうか?
痺れの症状が出ているということですね。しかも24時間ということになると、第一に脛の部分の感覚を司っている神経の問題であると予想されます。関節リウマチでは腰椎という腰の背骨がずれてしまって、その部分で神経が圧迫されることがあります。またリウマチとは関係のない椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの別の病気が起こっている可能性もありますので、一度、主治医の先生(整形外科の先生が良いと思います)に相談して、MRIを含めた腰の詳しい検査をしてみてはいかがでしょうか?(2025年3月)
- Q.197同じ抗tnfα製剤でも効果があるものとないものがあるのはなぜですか?どのような違いがあるのでしょうか? 例)シムジアは効果あり、エタネルセプトは効果なし。
現在、TNF-α阻害剤には、点滴製剤と皮下注製剤がありますが、その有効性を示す指標として、標的分子である血中TNFα濃度や骨破壊や炎症の程度、また、薬剤を使用続けることによる抗体の産生、薬剤の投与量など、効果発現に関わる因子の数により、患者さんが感じる効果に差が生じることがあります。
その結果、効果が減弱したり効かなくなってしまった場合には、抗体ができにくい生物学的製剤や異なる作用機序のお薬に変更することもあります。
製剤の違いとしては、胎盤通過性が低ことから妊婦には比較的安全に使用できる製剤や、基礎疾患や高齢者、易感染性のリスクの高い方など、患者さんの背景により使い分けが可能な製剤があります。(2025年3月)
