OSAKA |
国立病院機構 大阪南医療センター 免疫疾患センター 部長
橋本淳 |
平成11年より設けられましたEuropean Rheumatism and Arthritis Surgical Society (ERASS)と日本リウマチ財団との間で日欧リウマチ外科交換派遣医制度(European and Japanese Exchange Fellowship in Rheumasurgery)で隔年に両者間の交換留学を致しています。本年度の平成26年はオランダから2名のリウマチ関節外科医が来日されました。University Medical Center GroningenのAlexander Leonard Boerboom(Lex Boerboom)先生とAcademisch Medisch Centrum, AmsterdamのAndras Heijink先生のお二人で、2014年8月29日(金)に関西国際空港に到着、9月14日(日)東京からオランダに立つまでの2週間に大阪南医療センター、京都府立医科大学、名古屋医療センター、名古屋大学、新潟県立リウマチセンターの5施設を回りました。スタートとなりました大阪の研修についてご報告させていただきます。 |
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8月29日(金)~31日(日) |
私が会長をさせていただきました第43回リウマチの外科研究会(2014年8月30日、31日)に参加していただく予定で、お二人とも29日(金)朝、関西国際空港に到着いたしました。研究会の特別講演にお呼びしておりましたオランダのMedisch Centrum AmstelveenのH.Cornelis Doets先生も同じ便で、関西国際空港で3人の先生が集合し、私の車で大阪梅田のホテルにご案内いたしました。途中大阪中央卸売市場の「ゑんどう」で朝食としての握り寿司から「enjoy 日本!」がスタートしました。同日夕方はリウマチの外科研究会の会長招宴に、翌日30日(土)はリウマチの外科研究会でのDoets先生の講演などを聴講いただき、また懇親会にも出席いただきました。リウマチの外科研究会2日目の31日(日)の朝に設けました「日欧交換留学から学んだこと」(座長:津村弘先生、桃原茂樹先生)のセッションで石川肇先生(第一回留学生)金子敦史先生(第4回留学生)谷口大吾先生・舟橋康治先生(第7回留学生)のご発表のあとに、Boerboom先生とHeijink先生お二人にも自己紹介プレゼンテーションをしていただきました。Boerboom先生のご発表は動画に編集しました病院および自己紹介でプレゼン技術の勉強になるものでありました。 |
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9月1日(月)
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国立病院機構 大阪南医療センターでの研修開始となり、午前中は関節リウマチの前足部重度変形に対する母趾Scarf法、II-V趾オフセット中足骨短縮骨切り術による中足骨頭温存での変形矯正の私の手術に入っていただきました。Boerboom先生とHeijink先生留学生お二人に入っていただきながら、もう一人のDoets先生は写真係となりたくさんの写真をとり、前足部変形矯正の独特の手術方法にとても興味を持たれこの日の収穫のようでありました。午後は私と秋田先生、辻先生、Boerboom先生がショートプレゼンテーションを行いつつ手、足、関節外科のディスカッションを行いました。
夜は生駒山中腹岩清水の流れる情緒ゆたかな場所で湯葉料理日本料理を楽しんでいただきました。
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9月2日(火)
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午前中は関節リウマチ手のシリコンインプラント人工関節置換術の秋田先生の手術に入っていただき、術中多くのディスカションをしながらお互いに学ぶことが多い機会となりました。午後は股関節外科医の全人工股関節置換術の見学をしていただきました。 |
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9月3日(水)
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梅田で一緒に朝食ののち、新大阪駅から京都への出発。
土、日の研究会からの出席で、大阪南医療センターでの研修は2日間という短期ではありましたが、関節リウマチの手と足の手術にお二人の留学生ともに実際に手洗いをして入っていただくことができ、交換留学での手術手技に関する研鑽という目的に関しては大変充実した内容となったと思います。それゆえに夜の食事会も日本文化を十分に満喫できたようで、大変濃厚、充実した交流となり、私たちが学ぶことも多い貴重な機会となりました。このような機会を与えていただきましたリウマチ財団に深く感謝の意を表しつつ大阪パートの報告といたします。 |
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KYOTO
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京都府立医科大学大学院運動器機能再生外科学整形外科教授 久保 俊一
京都府立医科大学大学院運動器機能再生外科学整形外科講師 谷口 大吾 |
昨年、平成25年度日欧リウマチ外科交換派遣医として教室の谷口が欧州を訪問させていただいたこともあり、本年平成26年度の欧州から日本への訪問先として京都府立医科大学整形外科学教室が9月3日から6日の4日間ホストを務めさせていただきました。京都府立医科大学では整形外科と膠原病リウマチ内科が協力し、平成26年4月からリウマチセンターを発足させ、リウマチ診療の充実を計っております。このため、今回、ホスト役を仰せつかったことを大変嬉しく思っておりました。訪問されたAlexander Leonard Boerboom先生とAndras Heijink先生には大学で症例検討に参加していただき、手術見学をおこなっていただきました。また、同門会セミナーでは講演もしていただきました。夜は毎晩食事をご一緒させていただき、多数のスタッフと交流し、休日は京都1日観光に参加していただきました。短い期間でしたがお二人と交流し、貴重な意見・情報交換ができ、京都の文化にも触れていただくことが出来たと思いますので、報告させていただきます。 |
9月3日(水)
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午後に大阪から京都に到着され、京都府立医科大学整形外科教室で9月4日(木曜日)に予定されている手術について術前検討スライドを使用しながら意見交換を行いました。夕刻からは久保教授と面会した後、同門会セミナーを開催し、約60名の参加者の中、英語で症例検討を行い、術式を中心に活発な意見交換を行いました。さらに、Andras Heijink先生からはRadiocapitellar prosthetic arthroplastyのタイトルで、Alexander Leonard Boerboom先生からはWrist: arthrodesis or prosthesis ? のタイトルで講演をいただきました。ともに日本ではなじみのない術式であり大変興味深く拝聴させていただきました。 夜は到着初日で時間も遅かったので谷口夫妻と4人で京地鶏の店で食事をご一緒し、先斗町を散策して帰りました。
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9月4日(木)
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大学まで鴨川沿いをゆっくりと歩いて来院していただいた後、手術見学をしていただきました。全部で8つあった手術の中で、午前は人工膝関節全置換術、頚部軟部腫瘍切除術術、肩関節鏡の手術を、午後はおもに大腿骨骨腫瘍に対する広範囲切除術を熱心に見学されていたようです。夜は関節リウマチグループを中心としたスタッフと京懐石の店で食事をし、京都の食文化に触れつつ、関節リウマチに対する日欧の診療体制の違いや、人工関節の術式など様々なことがらに意見交換を行いました。 |
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9月5日(金)
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午前は高位脛骨骨切り術を見学していただき、午後は土産などの買い物に出かけられました。夜は若手スタッフと京都で古くからやっている中華料理の店で食事をし、手術手技や日本文化、家族の話などで盛り上がりました。 |
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9月6日(土)
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朝から夕まで英語ガイドによる京都1日観光として、二条城、金閣寺、北野天満宮、平安神宮、三十三間堂、清水寺を巡っていただきました。大変美しかったと喜んでいただきましたが、最後の清水寺で激しい雨に見舞われたのが残念でした。夕食は当初予定していませんでしたが、お二人から谷口を招待したいと提案していただき、家族揃って夕食をご馳走になりました。翌日には娘とともにお二人を京都駅までお送りし、新幹線で名古屋に向かわれるのをホームで見送りました。
以上、短期間でしたが、密度の濃い交流を行い、欧州の医療、文化に触れ、われわれは大変刺激を受けました。是非、オランダに来いと言っていただき、お二人ととても親しい関係を築けたのではないかと感じております。このように有意義な交換派遣医制度に関わらせたいただき、日本リウマチ財団に厚く御礼申し上げます。 |
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NAGOYA |
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独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター 整形外科 佐藤智太郎
名古屋大学医学部 整形外科 舟橋康治(名古屋大学分)
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9月8日(月)
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「Good Morning !」「Nice to meet you !」、の朝の挨拶で名古屋医療センターへのお二人のご訪問が始まりました。9月8日(月)朝8時、当院はいつもの朝のカンファレンスの最中で、整形外科若手レジデントの症例提示の最中でしたが、ただちに英語に切り替えて、一段落したところで、お二人を整形外科の病棟へご案内し、9時からの手術(人工肘関節置換術)へご案内させて頂きました。当日は、金子敦史先生が術者でのKudo elbowによる人工肘関節置換術、BS-5による人工膝関節置換術のあと、さらに、レジデントによる大腿骨転子部骨折のShort Femoral Nailについてのコメントも頂きました。16時からの、お二人によるプレゼンテーションがありました。RA患者に対する、Dr. Boerboomの上肢、特に手関節の手術は、人工手関節と固定術の成績の比較が綿密にされており、興味深く拝聴しました。また、人工肘関節の手術のアプローチにおいての、上腕三頭筋の分割方法(一部筋膜を巻き上げることで筋組織の損傷を軽減する方法)のアドバイスを頂き、今後の手術の参考になりました。Dr. Heijinkの部分的人工肘関節置換術(撓骨頭および上腕骨小頭の置換)のプレゼンテーションは初めて見るもので、とても興味がわきました。撓骨頭の骨折は日常しばしば遭遇しますが、これを人工骨頭で置換することは文献でしか見た事がなく、上腕側にコンポーネントを挿入して部分的人工肘関節として使用するというアイデアには感心しました。ただ、Dr. Heijinkも、上腕側のコンポーネント設置は、「not so easy」とコメントされており、技術的なハードルがありそうでした。お二人とも、「小関節の人工関節は例数が少なくて、なかなかメーカーが本腰を上げて広めようとしない。」と言っておられ、我が国のRAの患者さんにすぐ使用できる訳ではないと感じました。当院からは、来田大平先生より、人工関節のコンピュータ画像での3次元術前計画誘導システム「JIGEN」に関する自験例のプレゼンテーションを行なってもらい、CT撮像データの処理についてかなり突っ込んだやり取りがなされました。最後に小生が、東大で開発され、当院で使用しているTHA用ポ リエチレンライナー(商品名:アクアラ)のMPC (2-methacryloyloxyethylphosphorylcholine)ポリマー処理について説明したところ、摩耗が劇的に低減する理由について、お二人とも非常に興味深いと述べられ、その後も数回質問を受けました。特に、実際のライナーを濡らし、32mm系のボールをはめ込み回転させる模型でのデモは面白がられました。その夜の名古屋市内での食事では、当院の整形外科の11名とお二人で和やかに交歓が進み、サッカーやウサギのキャラクターのNijntje Pluis(ナインチェ・プラウス、日本ではミッフィー、あるいは「(ふわふわ」うさこちゃん)の話題では大いに盛り上がりました。 |
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9月9日(火)
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名古屋大学医学部附属病院の7:45からのモーニングカンファレンスで当日手術症例を担当医に英語でプレゼンテーションしてもらいましたが、Dr. Boerboom からは鋭いコメントを頂きました。午前中は小児整形グループ(鬼頭浩史先生執刀)の手術を2件(末期ペルテス病の内反股への進展予の大腿骨骨端閉鎖術、大腿骨頭すべり症に対するIn situ pinning)見学して頂いた後、病棟最上階で昼食となり、石黒直樹病院長をはじめ、リウマチグループのスタッフとともに日本のリウマチ整形外科の診療スタイル(手術療法+薬物治療)や日蘭の病院経営体制の違いなどについて話しました。
午後は股関節グループの人工股関節置換術(長谷川幸治先生執刀)で、腸骨にスタインマンピンを刺入して固定するAcetabular angle guideに驚きつつも関心を示していました。夕食の場では偏心性寛骨臼回転骨切り術(eRAO)を股関節グループのスタッフに当院の術式とコンセプトとその成績をプレゼンテーションしてもらい、Academicな会話が交わされておりました。
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予定では名古屋滞在4日目の9月10日(水)は新潟への移動日でしたが、午前中に名古屋医療センターで「JIGEN」で術前計画を行なった人工股関節の手術を見てもらう事ができ、昼には名古屋駅から車中の人となって頂きました。
お二人には滞在10日めでそろそろ疲れが出る頃かと思われましたが、微塵もそのような様子は見せず、タフにハードな日程をこなして頂き、改めて欧州の整形外科のセンター病院の医師の体力とマナーに感じ入った次第です。名古屋の若手の整形外科の医師にとり、大いなる刺激となったと確信しており、今後のプログラムの発展を望むものです。 |
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新潟県立リウマチセンター 名誉院長
村澤 章 |
今回の訪問の最後の地に新潟が選ばれました。大阪、京都、名古屋のあと都会とは違った日本の地方でのリウマチ医療と食文化に触れていただきました。新潟での4日間の滞在を以下に報告致します。 |
9月10日(水)
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午後名古屋を出発し東京へ。この時期低気圧によるゲリラ豪雨が全国各地で猛威をふるっていて、午後たまたま東京を襲い1時間100mmが記録されましたが、幸い新幹線は東京から新潟へ無事到着。阿部先生のピックアップ後宿泊先のホテル日航新潟に落ち着くことができました。このホテルは新潟市内で最も高層で、展望階からは360度の大パノラマを眺望できます。一旦部屋でくつろいでいただいたのち館内の中華料理店“桃李”にて新潟でのwelcome partyが催されました。大阪でのリウマチ外科研究会で一度お会いしていたので和気あいあいの食事会となりました。
Dr. Lex Boerboomは47歳、北オランダのGroningen大学より来日。3人の子供がいて、父がインドネシア人ということもあり、小柄なとても気さくで冗談もぽんぽん飛び出す方でした。肘関節領域特にTEAや手関節外科が専門でRA症例もかなり手掛けているようでした。一方 Dr. Andras Heijink は40歳、南オランダのLeiden大学在籍、Mayo Clinicにも4~5年留学し腫瘍学を学ばれた後、RA外科に関心を持ち始めたばかりのようでした。来日するまで二人は全く面識がなく、年の差、背丈の大小、気配り屋さんとのんびり屋さんというように、日本での良い意味での漫才コンビのような息の合った二人との印象を持ちました。Lexは大のカラオケ好き、Andrasは寿司が大好物であることが後で判明しました。 |
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9月11日(木)
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早朝、新潟市内のホテルから30km北の新発田市にある新潟県立リウマチセンターに到着、手術見学の前にセンターの院内案内を行いました。日本でのリウマチ医療の仕組み、欧米と日本のリウマチ医・整形外科医との違い、本邦唯一県立リウマチセンターの概要、どれもオランダでのリウマチ外科医が置かれている環境とは大きな差を経験し驚愕していたようです。特に整形外科医が薬物療法を行い、内科医、整形外科医、リハビリテーション医が連携しT2Tを遂行しているのは想像外のようでした。
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午前は、両側同時足趾形成術を見学、lesser toe はMTP関節温存の中足骨頸部短縮斜め骨り術、母趾はMTP変形高度な右側をスワンソン人工趾関節置換術、軟骨残存左側はMitchel頸部骨切り術を施行しました。大阪南医療センターで経験された同手術とは少し違った方法のために興味を抱いたようです。
午後は石川先生執刀の当センターで開発されたMNSK (Modified Niigata-Senami- Kyocera) TEAを経験してもらいました。
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手術見学後、名誉院長、院長、副院長、内科リウマチ医も含め総勢9名で、当センターの前身病院があった村上市の瀬波温泉に向かいました。宿泊先の”大観荘”は天然温泉で日本海が眼下に眺望できる大パノラマ露天風呂があり、温泉地がほとんどないオランダでは味わえない経験に大満足だったようです。浴衣をはおり、日本海の新鮮な食材、〆張鶴などの地酒、三面川の鮭料理を堪能してもらいました。 |
9月12日( 金)
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夕方新潟市で予定されている合同ミーティング開催まで、村上から新潟市までの観光を楽しんでもらいました。まずは村上の鮭”イヨボヤ会館”へ行き、皇太子妃雅子さまが贈呈されたパノラマ鮭観察自然館で、鮭の遡上や産卵についての説明を受けました。そのあと、新発田市へ向かい、リウマチセンターの近くにある”市島酒造”にて酒造りを見学してもらいました。正直言って昨日まで彼らは日本酒には全く興味が無いようでしたが、大吟醸、山廃純米酒、古酒などを試飲するうちに本来の味がわかるようになり、なんと大吟醸”王紋”を1本本国へのお土産に購入され、国際貿易交流に一役買うことができました。
ランチは豪農の館を改造した”五十嵐邸ガーデン”で洋風料理を堪能し、日本庭園をバックに記念写真を一枚。 |
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次いで阿賀野川沿いにある”北方文化博物館”に立寄り、日本の農業の歴史から当時の住居、貯蔵文化財など貴重な展示品をとおし日本の文化の一片に触れていただきました。
一旦ホテルに戻り休憩後、新潟大学有壬記念館に集合し、今回イベントの目玉でもあったEuropean-Japanese Exchange Forum of Rheumasurgery in Niigata 2014 が開催されました。新潟勢ではまず針金先生に足趾形成術後の足底圧の変化、荒井先生にMNSK system TEAの開発と臨床成績、近藤先生にMTXとTCZでのスーパーオキサイドの変化、石川先生のリウマチ手関節の部分固定術などの発表が続き、次いでDr. Lex BoerboomにWrist arthrodesis or prosthesisを, Dr. Andras HeijinkにはRadiocapitellar proshetic arthroplastyの講演をいただきました。各発表ごと積極的な質疑応答がなされ、大変有意義な討論になりました。丁度出席していた研修医からも質問があって、リウマチ学の啓発活動に役立ったのではないでしょうか。 |
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今回の日本での訪問最後となる新潟でのFarewell party は、古町の老舗寿司割烹“丸伊”で 締めくくり、新潟の新鮮な食材を使った鮨ネタ、コシヒカリのシャリは彼らを唸らせました。討論、美食、時には酒のオモテナシによって日本のリウマチ外科医とヨーロッパの整形外科医の交流が深く親密に完結できほっとしています。
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9月13日( 土)
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待合時間に遅れることなく日航ホテルをチェックアウトして、新幹線ホームで最後のシャーターチャンスと来年6月にオランダで再会することを約束し別れました。
東京ではロイヤルパークホテルに宿泊後、日本橋界隈か浅草スカイツリー、築地で再度寿司三昧か、日本での最後の自由行動を満喫したことでしょう。
今回の日欧リウマチ外科交換派遣医制度は各地でのイベントが3日から4日の超タイトスケジュールで、かなり疲労困憊したのでないかと心配しましたが、積極的に予定行事をこなされ、夜の食事会でも全ての料理を完食し、十分日本での習慣に馴染んでいただきました。日欧間にはリウマチ医療に対する制度や内容に大きな隔たりがありますが、関節炎患者への思いや、リウマチ手術の最終目標などは変わりません。可能な限りこの交換派遣医制度を維持し世界のリウマチ患者の支援のために日欧リウマチ外科のさらなる発展を祈願します。
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