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東京大学大学院医学系研究科内科学専攻アレルギー・リウマチ学  安部 樹

この度は国際学会におけるリウマチ性疾患調査・研究発表助成を頂き、心より感謝を申し上げます。当助成金を頂きましたおかげで、令和6年6月12日より15日にオーストリア共和国、ウィーンで開催された2024年ヨーロッパリウマチ学会に参加し、私の博士課程での研究内容について発表することができました。

私は全身性エリテマトーデス(SLE)の予後因子に関して研究を行っております。本学会において、「INTERFERON SIGNATURE PREDICTS FLARES IN LUPUS PATIENTS ACHIEVING LOW DISEASE ACTIVITY, ACCOMPANIED BY THE ACTIVATION OF OXIDATIVE PHOSPHORYLATION AND CELL CYCLE」という演題名で発表の機会をいただきました。具体的に、当研究室の持つSLE患者さんのRNA-seqデータベースを用いて、低疾患活動性(LLDAS)を達成したSLE患者さんについて、トランスクリプトームデータと予後の関連について解析を行ったという内容の発表を行いました。

私の発表はSLEの病態生理をテーマとしたポスターツアーに割り当てられており、座長の先生方や他の発表者・聴衆もSLEに深い関心を持っている研究者・臨床家であったため、様々な角度から質問やコメントを頂き、議論を行うことができました。今回の意見を元に、より精密な予後予測モデルの構築に繋げられるなど、研究をより深めることができるものと期待しています。

末筆になりますが、今回大変貴重なご支援をいただいたおかげで、本学会に参加して発表することができました。今回の経験を励みに、今後も患者さんの役に立てるような研究に励みたいと思っております。この度はありがとうございました。

 

 

京都大学医学部附属病院 免疫・膠原病内科  納田 安啓

この度は貴財団の国際学会におけるリウマチ性疾患調査・研究発表助成を交付いただき大変感謝申し上げます。私はヨーロッパリウマチ学会2024年に参加し、「THE ROLE OF CX3CL1/CX3CR1 AXIS IN THE PATHOGENESIS OF ANTI-MELANOMA DIFFERENTIATION-ASSOCIATED GENE 5 ANTIBODY-POSITIVE DERMATOMYOSITIS」という演題でポスター発表を行いました。

博士課程の研究テーマである抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の病態における単球/マクロファージ、CX3CL1/CX3CR1、1型インターフェロンに関する発表を行いました。抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の皮膚や肺組織にはCX3CR1陽性の単球やマクロファージが多く浸潤し、またこれらの遊走因子である皮膚や肺の上皮細胞からのCX3CL1産生が非常に重要であり、マクロファージだけでなく上皮細胞においても1型IFNが活性化しており、CX3CL1/CX3CR1とマクロファージ、1型インターフェロンの相互作用が、抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎患者の病態に非常に重要であることを示しました。

この発表に関して、海外の研究者と病理組織の染色方法や皮膚筋炎の病態、治療法に関して活発な意見を交換することができました。
また、多くのセッションに参加し、特に私の研究分野である特発性炎症性筋炎における最新の知見に触れることができました。
今回のヨーロッパリウマチ学会の参加を通して、様々な経験をさせていただきました。今後の臨床/研究活動にさらに励みたいと思っております。
貴財団の助成に厚く御礼申し上げます。