05.手術について

Q.10 私は10歳から若年性特発性関節炎を患って29年ぐらい経つのですが両膝・両股関節・右肘が拘縮してしまい、生活するうえで介助してもらわないと生活できない状態です。例えば車椅子からのベット・トイレ移乗などです。現在の生活を向上させたいと思っているのですが、拘縮した関節の人工関節・手術は麻痺やその他のリスクがあるので、あまり主治医も勧めません。何か良い方法はありませんか?とても悩んでいます。
A. 破壊された関節の程度にもよるのですが、軟部組織の剥離や術前の拘縮改善の十分なリハビリ・拘縮除去手術後の人工関節などの2期的手術・特殊形状の人工関節を使うことにより手術が出来る場合もあります。ただし長年車いす生活であれば、手術が成功した後の歩行に耐えうる筋力が維持されているかも心配です。まだ年齢的にもお若いのでもう一度希望を話されて手術についても、また手術方法や手順についても医師に相談されては如何でしょうか?(平成26年1月)
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平成26年1月更新↓
Q.9 69歳の主婦です。手指(特に右手第4、第5指とその下の掌)に痛みがあり、通院中です。治癒するのであればと手術を考えていますが、どのような手術になるのでしょうか?また術後に術前と同じような手の状態に戻るでしょうか?
A. 手ならびに手指の滑膜炎と、腱鞘滑膜炎による狭窄性腱鞘炎が原因と考えられます。保存的には安静を保つためのテーピングや消炎鎮痛薬の内服・外用(湿布、塗り薬)副腎皮質ステロイドの腱鞘内注射が有効なことがありますが、効果が乏しい場合や症状が進行している場合には手術療法が行われます。手術は当該領域の腱鞘性滑膜炎を含めた滑膜切除と狭窄している腱鞘の切開術です。術後経過は一般に良好ですが、病変部位の炎症による腱鞘の肥厚が著しく、かつ広範である場合には稀に切開の範囲が広範となり術後に自力で指が曲げにくくなることもあります(ただし大半は術後1~3か月以内に自然治癒します)。また手術をしても薬物による治療が不充分であると、また再発してしまいます。ご自身の術後経過については主治医の先生とよくご相談ください。(平成23年1月)
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Q.8 昨年8月に、左肘の滑膜切除術を受けました。肘の痛みがひどく薬を増やすか手術をするかしないと痛みはとれないといわれ手術を選びました。右肘は人工関節術になりましたが今回はそれはまぬがれましたが、術後半年経過しましたが痛みはとれていません。手術をしても痛みが取れない事があるのでしょうか?
A. 滑膜切除術により、かなりの疼痛の程度が軽減されると考えられますが若干(1~3割)程度の痛みが残存することもあります。これは、手術の手技的な要因より手術前の関節破壊の程度(かなり進行し残余の軟骨が失われていたなど)に起因している場合が多いと考えられます。主治医の先生とご相談されればいいと思います。
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Q.7 関節リウマチで入院するケースはありますか?
A. いくつかの場合が考えられます。一番多いのが関節の手術をするための入院でしょう。手術する関節や部位(頸椎など)・術式により入院期間は異なりますが、手術後一定レベルまでの機能が回復するまで入院が必要となります。関節リウマチの症状が増悪し外来でのコントロールだけでは困難となった場合(関節リウマチに随伴する発熱や日常生活も困難なくらいの関節痛など)にも症状が沈静化するまで入院する場合があります。また患者さんの日常生活指導や自分で出来る日々のリハビリテーション・服薬指導などを勉強してもらう目的で教育入院をする場合もあります。レミケード治療の場合、投与中や投与後の副作用をモニターチェックする目的で1~数日の短期入院する場合もあります。また関節リウマチの中でも悪性関節リウマチという病気では、関節以外に内臓の炎症(肺、胃腸など)の治療のため比較的長期間入院することがあります。
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Q.6 40年以上関節リウマチを患っており、慢性化しております。先日、眼科を受診し、角膜移植の手術をすすめられました。 リウマチは免疫異常が原因の1つと考えられており、他人の角膜や臓器を移植したら、拒絶反応が一般の人より出やすいのではないかと危惧しています。関節 リウマチ患者に対する移植手術後の拒絶反応発生率について、因果関係はないのでしょうか?また、資料や論文、統計データはありませんでしょうか?
A. 関節リウマチと角膜移植に関する御質問へ回答させていただきます。角膜移植を勧められたとのことですが、一般に角膜移植は角膜が混濁したとき(角膜実質炎など)、角膜が光を正しく屈折しないとき(円錐角膜など)、角膜が穿孔したとき(外傷や潰瘍の穿孔など)に適応となります。関節リウマチでは関節外症状の一つとして角膜潰瘍があり、穿孔した場合は角膜移植の適応となります。角膜穿孔の場合の拒絶反応の発症率は他の原因の場合と比べ、多くはありません。しかしながら血管病変(血管炎)が基で角膜障害をきたすため、移植角膜に潰瘍が再発することがあり、生着率は低いことが報告されています。いずれにせよ関節リウマチのコントロールが最も重要ですので、眼科だけでなくリウマチ科の先生にも十分にご相談して決められることをお勧めします。
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Q.5 右手の薬指と小指の腱が切れてしまい、指が内側にしか曲がらなくなり、腱をつなぐ手術をすすめられています。また、左手の中指の第二関節が腫れてのびなくなり、ほかの指に負担があるため、その手術もしようかといわれています。勤務で手をよく使うのですが、手術すれば、今までと同じように指を動かせれるのでしょうか?なお、第二関節には、人工関節をすすめられています。
A. 関節リウマチで頻繁に切れてしまうことの多い手の指の腱は、指を伸ばす働きのある伸筋腱です(特に小指と薬指)。この場合、切れて間がない間であれば(早いにこしたことはない)アキレス腱断裂のように切れた腱の断端どうしを縫合することで、その機能を回復させることが出来ますが、日にちがたってから(切れてからしばらく放置したままにした場合)整形外科を受診してもその切断された腱の断端どうしの間にうめがたいギャップが生じ端と端を単純に縫合することが出来なくなり、他から採取した代替の腱を移植するか切れていない隣の腱に切れ端を縫い付けるしか方法がなくなります。この場合、手術そのものが大掛かりになるばかりでなく機能的にも端と端を縫合する手術の術後に比べ劣ることが多くなります。
また頻度は少ないながら手の滑膜腱鞘炎や骨の変形のため指の屈筋腱(指を曲げるための腱)が断裂することもあります。 この場合は、手の手術の専門家でないと再建がむずかしいことがあります。人工関節については、近年のもので成績が良いものも出てきています。少なくとも手術しないよりは日常生活の改善が見込まれると主治医の先生が判断されたため、手術を勧められているのでしょうから、今現在よりは指が使いやすくなるものと思われます。
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Q.4 両手首の軟骨が減り、一部は骨まで侵されているため、固まっているようで、動きに制限があります。よく使う手首が痛く辛いです。 それでも軽症のため、補助具やシップなどしか治療はないと言われました。 手術は適当ではないのでしょうか?
A. 手首の手術についてのご質問かと思います。軽症とありますが破壊がどの程度のものなのか、また関節リウマチの活動性がどの程度なのかによって手術をするべきかどうかを判断しなければなりません。痛みが関節リウマチの炎症で起こっているのか、あるいは炎症の結果壊れてしまったために痛いのかを区別して、手術するかどうかを考えるべきです。火事で燃えている家に消火もしないでまた家を建てるようなもので、炎症の強い段階ではまずその勢いを止めませんと、せっかく手術してもまた悪くなってしまいます。
しかし専門医が手術の適応があると判断される例においては、手関節手術手術後の成績は良好で、非常に高い患者さんの満足すべき成績が報告されています(これはリウマチ財団発刊のエビデンスに基づく治療成績にも記載されています)。
術式としては滑膜切除術またはこれに手関節形成術を併用した方法がとられます。手術の効果は主に手関節の痛みの軽減または消失に対して効果がありますが、術後関節の動きはむしろ低下する傾向にあります。それでも、患者さん自身による評価が著しく高いのは確かな徐痛が得られるためだと思います。
痛みがあるようなら手術が勧められると思いますが、動きをよくすることをを主に考えられているようでしたら期待するほどの効果は望みにくいと思われます。
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Q.3 母は、5年前に右ひざの手術をしましたが、その手術をした所がむくんでいます。熱を持ち、寝る前に氷枕を当ててむくみを取っています。むくみを防ぐ方法は、ありますか。
A. 5年前の手術とは恐らく人工関節の手術ではないでしょうか?手術した部位が発熱したり、腫脹したりした時は、まずばい菌による感染の可能性を考えねばなりません。何故ならば人工関節を含めた関節手術の部位が感染を起こして手遅れになれば人工関節の抜去や、ひどい時には下肢の切断まで考えなければならないからです。自分で判断せずに、症状を主治医に細かく説明し、腫脹や発熱が何故おこっているのかの原因を究明することが先決です。もし、主治医がわからないようであれば専門医にセカンドオピニオンを求めるのも1つです。人工関節の術後の症状が発熱や腫脹の場合、その他の原因として、人工関節の緩みや、中にある構造物の磨耗が原因のこともあります。また、人工関節術後の感染は、術直後感染がなくても、その他の全身の感染巣が血流にのって人工関節に付着することもあります(虫歯の菌でさえ、人工関節術後感染を引き起こした例も報告されています)。また非常に弱い菌が、術後しばらくして感染を起こした例も報告されています。主治医との相談または、専門医との相談をおすすめします。
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Q.2 関節リウマチにより大腿骨人工関節手術を受けました(70代・男性)が、その後39℃地位の熱が頻繁に出て、座薬で抑えたりしています。血液検査では異常がないようなのですが、何か原因があってのことだと思います。(手術前に熱が出るような事はありませんでした。)ただ、手術前から原因不明の嘔吐がたまにあり、首の軟骨が圧迫している様だとの所見でした。何かアドバイスをお願い致します。
A. リウマチの熱の原因は様々で、術後となるとさらに難しくなります。情報量が少ないので的確な回答はしかねるかもしれませんが、考えられる原因について述べます。関節リウマチの熱はリウマチそのものの悪化によっても出ますが、多くは38℃以下です。術後の感染では一般にCRPの上昇が参考になりますが、リウマチでは手術前の数値も高いことが多く、判断に迷うところです。ちなみにMMP-3の手術前後の変動はありますか?MMP-3もCRP同様、リウマチの炎症により増加しますが、CRPと異なり滑膜の炎症性変化をより強く受けるため、もしCRPとMMP-3両方が顕著に上がっているようであればリウマチの増悪を、CRPが顕著に上がっているがMMP-3の増加がないかわずかであれば感染症が疑われます(ただしMMP-3は副腎皮質ステロイド服用中で増加するので、副腎皮質ステロイド服用者では塾考が必要です)。ただし手術前の値は参考になるので、現在どのくらい変化しているかは大切です。(今回の場合、血液検査は異常がないとのことですが?)また股関節の手術後の感染は創部が深いことから膿や浸出液が体表に出ることもなくわかりづらいので血液検査の値は重要な指標となります。通常手術そのものの侵襲でも39℃ぐらいの熱は出ますが多くは1週間でおさまります。その他術後ベッド上での安静が長い場合は、尿路感染や誤飲による肺炎・腸炎などの他部位の感染症が合併症として出ることもあります。嘔吐されているようですが下痢はないのでしょうか?術後その他の合併症とし血栓症があり、足が腫れる様な程度のひどい場合は発熱することもあります。あまりにも多くの原因があるため充分な回答は出来ませんが、主治医の先生と良く相談されるのが一番いいのではないでしょうか。
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Q.1 家族が関節リウマチで苦しんでいます。痛んだ関節を人工関節に置き換える整形外科的治療に重点を置くのではなく、関節破壊を阻止するリウマチ医療をもっと積極的にアピールすべきではないでしょうか?それに伴うリスクも含めながらでも・・・
A. ご意見ごもっともと思います。手術は患者さんの不自由度を著しく改善させることの出来る、欠くことの出来ない治療法であることは間違いありませんが、患者さんのほとんど全てが、もし手術をしないで済むのであれば、それ以外の治療法を望まれていると思います。最近では関節破壊を止めるような治療法も開発されていることから、今後はこのような治療法も広報していく必要があると思います。しかし、人工関節も進歩しており20年以上の長期安定成績も期待されていることから、手術のタイミングがいたずらに遅れ、手遅れになったために期待される効果が得られないことにならないように、手術のメリット・デメリット、薬物療法のメリット・デメリットをバランスよく、また正確に患者さんに告知出来るよう、今後も努力していきたいと思います。
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