1.非ステロイド抗炎症薬(消炎鎮痛薬)
2.副腎皮質ステロイド(ステロイド)
3.抗リウマチ薬と免疫抑制薬
4.生物学的製剤

5.JAK阻害剤

 

 

戻る

 

 

 
2.副腎皮質ステロイド(ステロイド)
 

ステロイドは強い抗炎症作用がありますが、関節リウマチに対する効果は限定的であり、またさまざまな副作用があるために、その使用はあくまで補助的なものです。

ステロイドは開発された当初はその優れた炎症の抑制力から関節リウマチの特効薬として利用され、これにより1950年に発見者、抽出者(ヘンチ、ケンダル、ライヒシュタイン)がノーベル賞を受賞されるほどのものでした。長いこと疼痛や関節の腫れで動くことができなくなっていたような患者さんが、起き上がることができるくらい、画期的な改善をもたらすことができたからです。

 

しかしその後はさまざまな強い副作用がでることがわかり、すっかり利用されなくなりました。ステロイドの歴史はまさにこの副作用との戦いの歴史といってもよいでしょう。

 

その後いくら副作用があっても、この薬なしには治すことができない全身性エリテマトーデスなどの膠原病の治療においてステロイドは大量に使用されるとともに、多くの研究がなされ、その副作用を最小限に抑えるような努力が続けられてきました。そして再び関節リウマチでも使用されるようになったのです。

 

すなわちこの10年くらい、活動性の高い関節リウマチを抑制するために、メトトレキサートと併用するステップダウンブリッジ療法と呼ばれる治療で、活動性の高い関節リウマチ初期治療に使用されたり、また疼痛の軽減、ADLの改善のために少量が投与されるようになりました。

 

これはひとつには胃潰瘍や骨粗鬆症などの副作用をある程度コントロールできる手段が見出せたことにもよるともいえるでしょう。胃潰瘍や十二指腸潰瘍は最もよく起こる副作用ですが、これはH-2ブロッカー(ガスターなど)やプロトンポンプ阻害薬(オメプラールなど)と呼ばれる抗潰瘍薬を一緒に服用することでまず抑えることができます。易感染性(免疫の力が弱まることで風邪やその他の感染症にかかりやすくなること)は大きな問題ですが、ふつう関節リウマチで用いる5mg/日以下では、大変な感染症をみることはまずありません。またこの量では精神的な症状を訴えることもあまりみかけません。また長期間用いると、ステロイド本来のホルモンの働きで顔が丸くなったり、太ったり、高血圧症になりやすくなることと、血糖が上昇して糖尿病が出やすくなります。それらの結果動脈硬化が健康な方よりも早く進んでしまいます。骨粗鬆症もこのステロイドホルモンとしての大事な副作用ですが、ビタミンD製剤(ワンアルファ、アルファロール)とビスホスホネート製剤(ボナロン、フォッサマックなど)を一緒に服用することで、より改善できるようになりました。

 

ステロイドには錠剤として、プレドニン(5mg)、メドロール(4mg)、リンデロン(0.5mg)、デカドロン(0.5mg)などがあります。これらは種類が多少違いますが、1錠の強さは大雑把にはほぼ同じと考えてよいでしょう。プレドニゾロンには1mgと5mgがあります。プレドニゾロン5mgとプレドニン5mgは全く同じものです。リウマチの患者さんは大体5mg前後、多くても10mg以内で用いるのが普通です。またこれはホルモンが体の中で作られる朝に服用するのが普通の体のリズムにもあっていると考えられています。体内では一日3~4mg前後のステロイドホルモンが必要であるとされ、副腎で作られています。もし長い間ステロイドを飲んでいると、体がこれに頼ってステロイドホルモンを作らなくなってしまいます。そこで突然ステロイドを中止すると、リウマチの痛みが強くなるだけでなく、体を元気にする働きが弱くなって動けなくなったり、低血圧になってしまったりします。また手術や事故等で強いストレスがかかったときにも対処ができなくなります。このような時には普段よりもたくさんの量のステロイドをとる必要がありますが、詳しくは専門医に相談し、自分の判断で増やしたり、あるいは減らしたりしてはいけません。

 

ステロイドには注射薬もあり、血管に注射するものの他、皮下、筋肉や関節内に注射する(局注)ものもあります。ケナコルトがその代表でしたが最近(平成21年)使用中止になり、リンデロンなどが代用されています。筋肉や関節内に注射をすると効果が長く持続しますので毎日注射する必要はありませんが、副作用も同様に長く続きます。痛み止めとして漫然と関節注射をくりかえしていると、血糖が上がったりコレステロールが上がったり肺結核などの感染症を起こすことがあります。


ステロイドは現在関節リウマチの患者さんで少量使う場合もありますが、生物学的製剤の登場でステロイドを減量したり中止できる例も増えてきています。しかしこの使い方はまさに医師によって決められるべきで、患者さんが自分でコントロールすることはとても危険です。副作用を怖がっていてむやみに下げてしまうと一気に悪くなることがあります。ステロイドの量が多ければ多いほど、感染症を含めた副作用の合
併は特に5mg/日以下の量になると1mgの減量によって副作用が軽減するよりも、関節リウマチが悪くなってしまう可能性の方が大きいともいえます。また同じ関節リウマチといっても人によって効く量、飲む量は同じではありません。よく医師と相談されて、適切な処方を受けることが大切です。

 

 

     

 

 
 
戻る